STYLE+PLUS journal

人、仕事、旅、アート。 日々の発見から、自分らしいSTYLEづくりを考えるジャーナル。

「自分らしいプレゼンス」のための10の言葉 −AICIアジアカンファレンス東京より

10 Quotes For an Authentic Presence

About the journal

2026年5月9日・10日、東京ロイヤルパークホテルにて、日本で初めてAICI Asia Conferenceが開催されました。

「Spirit of Harmony」をテーマに、アジアをはじめ世界各国からイメージコンサルティングのプロフェッショナルが集結。資生堂やNTT、日本を代表する企業による基調講演、世界で活躍する国際イメージコンサルタントによる講義が行われました。自己表現やコミュニケーション、多様性についてグローバルな視点と日本的な美意識を見つめ直す機会となりました。


そこで語られた言葉は、イメージコンサルタントだけでなく、経営者、専門家など、自らの価値や想いを伝えるすべての人に通じるものです。

このジャーナルでは、Conferenceで心に残った言葉とともに、「自分らしいプレゼンス」について考えてみたいと思います。

「自分らしいプレゼンス」であるための10の言葉

10 Quotes from the AICI conference

Quote 1

"Appearance, behavior and communication are all forms of self-expression that shape trust."

「外見、行動、コミュニケーションはすべて自己表現の形であり、信頼を形づくるものである。」

単に外見だけでなく、行動やコミュニケーションの在り方を含めて自己表現であり、他者との信頼関係を形づくります。自己表現は、相手の文化背景や価値観をよく考え、まずは相手を尊重することが大切です。ーパネルディスカッションより

Quote 2

”It all starts from your inner expression, who you are on the inside”

「すべては内面から始まる。あなたが本当はどんな人なのかというところから。」

自分の内面が曖昧なままでは、外見を整えてもどこか借り物のようになります。プレゼンスとは表面的な演出ではない。自分の内側にある価値観や想いが、外見や言葉や振る舞いを通して自然に表れている状態のことですーパネルディスカッションより

Quote 3

“It’s not important what the style says. It’s important what the personality says.”

「スタイルが何を語るかではない。その人自身が何を語るかが重要だ。」-Eva Kock-Eripek, AICI CIM

欧州で35年にわたるイメージデザインおよびパーソ ナルブランディングの第一人者のEva氏。装いのスタイルには「スポーティー」「エレガント」「クラシック」など様々ですが、一番大切なことはその人の個性と調和していること。スタイルを作ることが目的でなく、そのスタイルを通して自分自身の個性が伝わるかどうか。

Quote 4

”The personality should come out and the outfit should support it.”

「個性が表に出るべきであり、服はそれを支える存在である。-Eva Kock-Eripek, AICI CIM

 

スタイルの主役は服ではなく「人」そのもの。私たちはつい、何を着るべきか、何が似合うかに意識を向けがちです。しかし本当に大切なのは、自分らしさや価値観、存在感が自然に伝わる装いを選ぶことではないでしょうか。

 

Quote 5

”What do you want to look like? Why do you love this? ” ”If you like it, really like it, love it, put it out”

「あなたはどんな姿になりたいですか?」「なぜ、これが好きなのですか?」「もし気に入っているなら、本当に好きなら、愛しているなら、表に出しましょう。-Eva Kock-Eripek, AICI CIM

 

自分自身を知る手がかりとして、まず自分が惹かれるもの、好きなものを確認すること。洋服も小物もたくさんの選択肢がある中で、なぜそれに惹かれるのか。気に入っているのは色?シルエット?素材だろうか?その要素を理解して、自己表現につなげていくことができるのです。

 

Quote 6

”If it fits well and the color is right, we don't have to waste your money.”

「サイズが合い、色が合っていれば、あなたのお金を無駄にしなくて済む。」Helena Chenn, AICI CIM

40年以上、富裕層や経営者のワードローブに携わってきた米国コンサルタントのHelena氏は、本当に自分にフィットするものを選ぶ重要性を提言します。流行に振り回されることも、誰かの真似を繰り返すこともない。自分の基準を持つこと。それは服選びだけでなく、仕事や発信にも通じることかもしれません。

Quote 7

”You can't erase anything that you've posted online. Don't post anything that you don't want to show up ten years later.”

「オンラインに投稿したものは、完全には消せない。10年後に見られて困るものは、投稿しないこと。」Helena Chenn, AICI CIM

 

Helena氏は、昨今の自己表現のひとつに「Digital Presence」=オンライン上での見せ方の重要性ついて言及されました。写真等の見せ方を含めてパーソナルブランディングを意識すること、そしてささいな投稿も印象として残ることを考慮しなければなりません。

 

Quote 8

”(In Japanese cuisine,) there isn't one main dish. Everything is a main dish.”

「日本料理において、主役となる一皿(メインディッシュ)は存在しない。すべてが主役である。」ー Hitomi Omori, AICI CIM

日本を代表するイメージコンサルタントの大森氏は、和食文化をヒントに日本の美意識やマナーを伝えました。西洋料理は頂点(Main Course)に向かって構成される一方、日本料理は刺身、煮物、焼物、揚物などそれぞれが独立した価値を持つ。つまり一皿一皿が調和する構成です。それぞれの個性を尊重し、全体の調和を大切にする日本の価値観の表れでもあります。

 

Quote 9

”It's about creating something that brings out the unique characteristics of each ingredient.”

「大切なのは、素材それぞれの個性を生かすこと。」ー Hitomi Omori, AICI CIM

大森氏は、日本料理の魅力は特別な技法で素材を変えてしまうことではなく、それぞれが本来持つ味わいや持ち味を引き出すことにあると語りました。それは人にも通じる考え方かもしれません。強みや個性を無理に変えるのではなく、その人らしさを生かすことで、本来の魅力はより味わい深くなるのではないでしょうか。

Quote 10

”The future is not standardized. It's individual. In each of you and us."

「未来は標準化されたものではありません。一人ひとりの個性の中にあります。」

 

35年以上のキャリアを持つEva氏は、現代はスピードが増し、情報があふれ、SNSなどによって物事が表面的になりがちな時代であると指摘しました。だからこそ未来は、誰もが同じ正解を目指す世界ではなく、一人ひとりが自分らしさを見つけ、その違いが価値になる世界だと見通します。ーパネルディスカッションより

after the Conference

AICIカンファレンスに初参加して

私がAICI(国際イメージコンサルタント協会)に入会したのは、ちょうど1年前のこと。フォトグラファーとして、お客様一人ひとりのスタイルや個性を表現したい。その思いから、その前年には日本の認定講師のもとで80時間の研修を受けていました。

AICIのイメージコンサルティングで特徴的なことは、グローバルスタンダードの装いや振る舞い、コミュニケーションに関わるマナーやルール、そして自己表現について学びを得られることです。今回のAICI Asia Conferenceは、私にとって改めてグローバル視点での自己表現とは何かを考える機会となりました。

登壇したのは、アジア各国だけでなく、世界で活躍するイメージコンサルタントたち。文化背景も、価値観も、流行も異なるはずです。それにもかかわらず、彼らの言葉には共通するものがありました。それは、一時的なテクニックやファッションの話ではありません。もっと哲学的で、人間のあり方そのものを問いかけるような内容でした。

イメージコンサルタントの仕事について、あるスピーカーはこう語りました。

“Our work is not only about appearance. It is about humanity.”(私たちの仕事は、見た目だけを扱うものではない。人そのものに向き合う仕事である。)


それは、世間一般でイメージされるファッション的な「イメコン」の仕事とは少し異なるかもしれません。そしてポートレート撮影を通して、その重要性を感じることは実に多いのです。


撮影していて時々、ストンと腑に落ちたような感覚を得ることがあります。写真の中のその人から何かが伝わってくるのです。とりたてて目立つ服装でも、格好をつけたポーズでもないのに。その特別な感覚は、出会って数分の撮影では生まれません。その人との向き合い方の深さ、お互いの信頼関係があってこそ、その人在り方が映し出されるように感じます。


カンファレンスではAI時代についても語られました。

“Technology can replace many things, but not empathy.”(テクノロジーは多くのことを代替できる。しかし、共感は代替できない。)

AIによって効率化が進む時代だからこそ、人と人との関係性や信頼の価値は、むしろ高まっていくのではないでしょうか。

どのような分野でも情報や技術はますます誰でも扱えるようになっていく。その中で顧客から深い信頼を得る人間性と確かな眼、そして私だけの独自性を育んでいきたい。「この人に任せたい」と思っていただける存在であること。それはフォトグラファーとしても、イメージコンサルタントとしても、これから私が大切にしていきたい姿勢です。