こんにちは、STYLE PHOTOSの奥竹です。東京都知事選を週末に控え、あちらこちらで選挙活動をみかける今日この頃です。今回はいろいろな意味で、選挙ポスターに話題が集まりました。掲示板ジャック・・時代は変わったものです。その騒動もおさまり、近くの掲示板には有力な候補者の顔ぶれがそろっていました。さてみなさんは、どのポスターに目が留まりますか?
イメージカラーに込められた想い
知っている顔、好きな色、デザインの見やすさ、それぞれの人の見方によって目に留まるポスターは異なることと思います。ただ、なんとなくポスターを見ていても、はっきりイメージがもてる候補者と、人となりがよく伝わってこない候補者に分かれるのではないでしょうか。それがイメージ戦略の成否です。その要素として言葉以上に大切なものは、<色> <装い> <表情をふくめた写真そのもの>です。
代表的な4人の候補者について、見てみましょう。
現都知事、小池百合子氏のイメージカラーはいうまでもなく「緑」。それもさわやかな若葉を想起させるような、発色のよい明るめの緑です。この緑色は、環境相を務めていたころからのイメージカラー。環境対策は自身のライフワークでもあります。小池知事は、ふだんは様々な装いを着こなしているのですが、選挙といったら誰もがこの緑を思い出す。とてもイメージづくりに長けた方です。
今回、表情は真正面の歯がみえる笑顔。斜めに構えることなく、まっすぐに都民と向き合いたい。そのような姿勢が伝わりますね。
同じく女性の候補者として注目されている蓮舫氏のポスター。公の場でもよくみかける、白スーツに真っ黒のショートヘア。小池知事に比べ、シャープではっきりとした印象がキャラクターを浮き彫りにしています。蓮舫氏のパーソナルカラーはおそらく「ウィンター」なのでしょう。真っ白な雪のようなホワイトがよく似合います。今回、そこにピンクの差し色が加わりました。リップの色と「R」の文字。
白黒のモノトーンだけでは、なにか物足りないし強すぎるイメージが残ります。そこに1点、差し色があることで印象づけられるのです。このピンクの色も、パーソナルカラーの中でも選りすぐりの「ベストカラー」なのかもしれません。コピーの配置といい、よく考えられたデザインです。
男性陣を見てみましょう。前安芸高田市長の石丸伸二氏。41歳という若さ、You tube動画などを活用した選挙活動。新しい風を巻き起こそうと奮闘されています。そのイメージカラーは「紫」。装いは元銀行アナリストという雰囲気を残したシャープなスーツ。街頭演説では白シャツに紫のネクタイ。ポスターもシンプルに紫の文字。
なぜ紫か?石丸氏はこのように語っています。「国政政党、大きな政治の動きでは、右か左かという議論がある。アメリカは分かりやすく(共和党の)赤と(民主党の)青ですが、そこに縛られるのではなく、もっと大事なもの。右も左も合わせて実現していく必要があるという思いで、紫を選んでみました。」その真意が見る人にすぐ伝わるかはわかりませんが、背景にある考えを知るきっかけになりますね。
元ビジネスマンらしさが漂う、シャープで誠実な印象の写真
最後に田母神氏。元自衛官、最終階級は航空幕僚長。この4人の中である意味、いちばんインパクトのあるポスターでした。まず名前の金文字。一位をとるという気持ちの表れだそうですが、「神」という感じが入ってるためか神々しい印象さえ感じます。左下の墨字風のスローガンもすごい。「さあ、反撃だ!日本!」全面的に戦いの姿勢です。
スーツは黒に近い紺か。ネクタイの色は一定しませんが、だいたい黒系、シルバー系が多いようです。そのキャリアからみても、カラフルな色使いはご本人が落ち着かないのだろうと想像します。そしてなんといっても写真。斜めから構え、光も斜めにさしているために陰影が深い。75歳というご年齢を考えると、通常ポートレートを撮るときはシワの見え方を気にします。カメラマンとしてはできればシワを目立たせたくない、だから光は柔らかめにセットしようと考えます。ところが田母神氏は、シワを逆手にとったような他の候補者にはない強さを印象づけています。
あなたのプロフィール写真はいかがですか?
選挙ポスターは、「一瞬で伝わり」「見直しても伝わる」イメージであること。伝えるものは政策、意欲、人柄。とても高度な究極のプロフィール写真だと思います。そのエッセンスは、一般のプロフィール写真に応用できる部分があります。
振り返って、あなたのプロフィール写真はいかがでしょうか?事業や会社の顔として公表しているものであれば、あらためてよく見直してみましょう。「一瞬で伝わり」「見直しても伝わる」イメージづくりができているでしょうか?洋服の色、表情、角度、意識していますか?
STYLE PHTOSではこの夏以降、新たに「イメージプロデュース」「パーソナルブランディング」サービスを撮影に付加していきます。お客様が人生のあらゆる場面で印象的に輝くために、装い、振る舞い、コミュニケーションのあり方からイメージ作りをサポートします。どうぞサービスの開始を楽しみにお待ちください。